医療・介護従事者が身につけるべきコミュニケーションの技法には次のようなものがあります。
『ロジャースの理論』
アメリカの臨床心理学者カール・ロジャースが重要視し広めた概念。ロジャースは特に傾聴についてはクライアント中心療法として重要視し、「受容・共感・自己一致」の要素を持って傾聴することを唱えた“傾聴の元祖”的存在です。
①傾聴:相手の話を受容や共感をもって深いレベルで理解しながら聴くこと。相手に指導するのではなく、傾聴により信頼関係を深め、行動変容を促します。
例:相手「私が上司だったらこんなことはさせないのに」→「そうなんですね。こんなことはさせないのですね」
②受容:相手の言動や感情表現などのありのままを受け止めること。相手に無条件の積極的肯定的な配慮や関心を抱くこと。
例:相手「まじめに生きてきたのに、なんでこんな辛い目にあうんだ!」→「辛いですよね。まじめですよね」
③共感:相手が感じることを、あたかも自分のことのように感じ、理解しようとすること。
例:相手「今日はとても天気が良くて気持ちいいね」→「そうですね、明るい気持ちになりますよね」
④自己一致:自分自身の感情をごまかそうとせず、感情・考えと言動・態度が矛盾していないこと。
『バイステックの7原則』
1957年にアメリカのケースワーカーで社会福祉学者であるバイステックが著書『ケースワークの原則』で記した原則=バイステックの7原則では、援助者(ワーカー)と利用者(クライエント)の関係について下記のように示されました。
①個別化:援助者は、利用者の個別性に応じた援助を行うこと。利用者の抱える問題は人それぞれ個別性のある問題であり、“同じ問題は存在しません”。そのため、問題のラベリングやパターン化はNGです。
②意図的な感情表出:利用者が自分の気持ちを自由に表現できるようにすること。
③制御された情緒的関与:援助者は自分の感情を自覚して吟味すること。
④受容:援助者は、利用者のありのままを受け止めること。
⑤非審判的態度:援助者は、利用者の言動や行為を一方的に非難・批判をしないこと。
⑥自己決定:援助者は、利用者の自己決定を尊重すること。
⑦秘密保持:援助者は、利用者の個人情報やプライバシーなどの秘密を第三者に漏らさないこと。
質問法
①閉じた質問(クローズド・クエスチョン):質問された相手が「はい」か「いいえ」で答えられる質問。
例:「食後のお薬はのみましたか?」
②開かれた質問(オープン・クエスチョン):質問された相手が自由に回答できる質問。
例:「どのあたりが痛いですか?」
返答法
①感情の反射(リフレクション):相手が表現した感情を相手に伝え返すこと。
②言い換え:相手が表現した内容を、別の言葉を使って返すこと。
③明確化:相手のはっきりしない気持ちを明確化すること。
④要約:相手の話の要約をまとめて、相手に伝え返すこと。
『非言語(的)コミュニケーション』
言葉以外の身振り・手振り、視線、ジェスチャー、タッチングなどのは、相手にとって理解しやすく、親近感や安心感を与えるとされる。
[…] コミュニケーション技法にはどのようなものがあるか、確認しておきましょう。 […]
[…] コミュニケーションの技法について今一度確認しておきましょう。 前の問題へ 次の問題へ […]
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