【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題31

30-031 Lさん(75歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。中等度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断されて,担当のM介護福祉職(男性)を,既に亡くなった自分の夫であると認識している。何か心配なことがあると,M介護福祉職を探しだして,「お父さん聞いて…」と不安そうな表情で話してくる。
不安そうな表情で話すLさんへの,M介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 女性職員に対応してもらうように伝える。
2 夫は既に亡くなっていることを伝える。
3 Lさんの話に耳を傾ける。
4 おしぼり畳みの軽作業を依頼する。
5 忙しくて手が離せないことを伝える。

正解:3

【解説】
1=×:女性職員へ対応を切り替えることは、男性である自分の夫に何か伝えたいと考えているLさんに不安を与え、Lさんの思いや考えを聞くことが困難となるため、この選択肢は誤りです。

2=×:認知症をわずらうLさんに対して事実関係を伝えて理解を求めることは効果的と考えられません。むしろ、夫が亡くなっていることにLさんを直面させ不安・混乱を招くおそれがあるため、この選択肢は誤りです。

3=○:不安を感じている利用者に対しては、受容し傾聴することが重要ですので、この選択肢は正しいです。

4=×:軽作業により気分を紛らわせるのは手段の一つですが、Lさんの不安な思いに対しては答えることができず不十分な対応ですので、この選択肢は誤りです。

5=×:認知症の有無にかかわらず、不安そうな表情で話しかけてくる利用者に対して、「忙しくて手が離せない」という対応への拒絶を示すことは、相手(利用者)に不安・不信感を与えるため、この選択肢は誤りです。

TIPS
コミュニケーションの技法について今一度確認しておきましょう。
傾聴、受容、個別化…医師・看護師・薬剤師や介護福祉士などの介護職が身につけたいコミュニケーション技法
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