【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問14社会「保健所」

33-014 1市3町を管轄する保健所の業務である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

(1)飲食店の営業許可
(2)精神保健福祉の専門相談
(3)結核発生時の接触者健康診断
(4)地域保健医療計画の作成
(5)がん検診の実施

正解:5

【解説】

社会・環境と健康領域で定番の保健所の問題です。
地域の公衆衛生・公衆栄養を担う施設として、保健所と市町村保健センターがあります。

保健所も市町村保健センターも地域保健法を根拠にした施設で、両者はある意味対比的な棲み分けがあります。

ざっくり言えば、市町村保健センターは対人業務を中心とした施設、保健所は後方支援的・監督的な施設です。

保健所と市町村保健センターはセットで覚えましょう

1=○:飲食店の営業許可は保健所の業務であるため、正しい記述です。

飲食を提供する施設が衛生的かどうか管理・監督するのは、保健所の業務です。

したがって、飲食店の営業許可は保健所の管轄です。
食中毒が発生した場合に届け出を出すのも保健所ですから、すんなり理解できる知識かと思います。

2=○:精神保健福祉の専門相談は保健所の業務ですので、正しい記述です。

「精神保健福祉の専門相談」がちょっと馴染みがないですが、専門性が高そうだというところから、専門性が高いコンサルタント的な業務≒支援業務は保健所の役割だと考えられれば、正しい記述と判断できるでしょう。

3=○:地域の感染症対策を担っているのは保健所ですので、正しい記述です。

ペストやエイズなどの感染症法に定められている感染症についての実態把握や対応は、保健所の業務です。

現在流行している新型コロナウイルスについても保健所が対応しているニュースなどから理解できると思います。

4=○:保健所は地域保健医療計画を作成するため、正しい記述です。

病院とは何か、医療はどのような体制で提供されるべきかという定義や全体像は、医療法に定められています。

医療法30条の4に、

都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画(以下「医療計画」という。)を定めるものとする。

とあり、都道府県における医療計画の作成を担っているのが、保健所です。

5=×:がん検診などの各種検診を行うのは、市町村保健センターの業務であるため、誤った記述です。

保健所とは異なり、地域住民に対する健康相談、保健指導、予防接種や各種検診などの直接的な対人サービスを主に業務とするのが、市町村保健センターです。

検診・健診=対人業務=市町村保健センターと覚えておきましょう。


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