35-109 保育園児を対象に、「お魚を食べよう」という目的で食育を行った。学習教材とその内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)ホワイトボードに「さかなは、ちやにくのもとになる」と書いて、説明した。
(2)アジの三枚おろしの実演を見せて、給食でその料理を提供した。
(3)エプロンシアターを用いて、マグロとアジを例に食物連鎖について説明した。
(4)保育園で魚を飼って、成長を観察した。
正解:2
【解説】
食育とは、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることです(食育基本法)。
食育を通じて伝えるべきとされている情報・価値には以下のようなものがあげられます。
(1)×:保育園児に対して、魚が人体にとってどのような意味をもつのかという知識を、ホワイトボードに文字で抽象的に説明することは、具体的・直感的な理解を得られにくいため、最も適切とはいえないと考えられます。
また、人体における血や肉の意味などの他の前提となる知識を保育園児に求めることとなり、これらの学術寄りの知識を伝えることは、「お魚を食べよう」という食べ方や食べる動機をつたえることを目的とした食育とは不一致であると考えられます。
(2)○:保育園児に対して、魚の料理方法を実演を通じて視覚的・直感的に伝えることは、「お魚を食べよう」という食べ方や食べる動機をつたえることを目的とした食育と一致しているため、最も適切と考えられます。
(3)×:保育園児に対して、食物連鎖という食事や食欲に直接かかわらない、やや理解力求める抽象的な知識を説明することは、「お魚を食べよう」という目的にはそぐわないため、最も適切とはいえないと考えられます。
なお、エプロンシアター®とは、胸当て式のエプロンを舞台に見立て、ポケットから次々と人形を取り出して行う人形劇です。
(4)×:保育園児に対して、魚を飼育・観察することは、魚が生き物であることを理解でき、食育を通じて達成すべきとされる「食べ物やつくる人への感謝の心」や「食べ物は他の生物の命を頂いているということ」を伝えることには有効と考えられます。
しかし、自分たちが飼育している魚と同じ生き物の命を直接奪っていることを自覚させることになり、「お魚を食べよう」という食べ方や食べる動機をつたえることを目的とした食育とは不一致であるため、最も適切とはいえないと考えられます。
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