【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問43 食べ物「果実類」

35-043 果実類に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)りんごの切断面は、リポキシゲナーゼによって褐変する。
(2)バナナは、ジベレリン処理によって追熟が促進する。
(3)西洋なしは、非クライマクテリック型の果実である。
(4)日本なしは、果肉に石細胞を含む。
(5)いちじくは、アクチニジンを含む。

正解:4

【解説】
(1)×:りんごの切断面は、ポリフェノールオキシダーゼによって褐変する。

(2)×:バナナは、エチレンによって追熟が促進する。
果物が成熟する際、果物の内部でエチレンが通常の1000倍以上発生し、果物の呼吸量も2~5倍増加し、風味ややわらかさなどが変化します。これを追熟といいます。

なお、ジベレリン処理とは、植物ホルモンであるジベレリンに果物を漬けることで、果実の成長を促進するなどの効果を与える処理です。

(3)×:西洋なしは、クライマクテリック型の果実である。
果物の追熟中や成熟期の後半に、果物の呼吸量が急激に増加する現象クライマクテリック・ライズといいます。

クライマクテリック・ライズを生じる果物を、クライマクテリック型の果物といいます。
物事の終わりを意味するクライマックスから来ている単語ですので、クライマックス≒成熟と考えると覚えやすいです。簡単に言えば、クライマクテリック型の果物≒買ってから熟す果実ということです。

リンゴ、バナナ、西洋ナシ、モモ、アボカドなどは色ややわらかさが変化する追熟がみられますから、クライマクテリック型の果物です。

(4)○:日本なしは、果肉に石細胞を含む。
石細胞(せきさいぼう)とは、特定の物質が細胞に蓄積することで、細胞壁が厚くなった細胞をいいます。

ナシの果肉の細胞にはリグニンという物質などが蓄積して石細胞となり、シャリシャリとした食感を生み出していますが、果肉を硬くすることで、種子を守る働きがあります。

(5)×:いちじくは、フィシンを含む。
フィシン(フィカイン)は、いちじくに含まれるたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)です。
アクチニジンとは、キウイフルーツ果実に含まれるたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)です。


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