【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問56 食べ物「食品中の有害物質」

35-056 食品中の有害物質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)アフラトキシンを生産するカビ類は、主に亜寒帯に生息している。
(2)デオキシニバレノールは、主に貝類に蓄積される。
(3)放射性物質であるヨウ素 131 は、主に骨に沈着する。
(4)キンメダイは、メチル水銀を蓄積するため、妊婦に対する注意が示されている。
(5)ベンゾ[a]ピレンは、生野菜に多く含まれている。

正解:4

【解説】
(1)×:アフラトキシンを生産するカビ類は、主に亜熱帯に生息している。
アフラトキシンを生産するカビ類は、アスペルギルス属に区分されるアスペルギルス・フラバスです。
アスペルギルス・フラバスは主に亜熱帯で生息しています。

アフラトキシンは、温かい気候で育つピーナッツやトウモロコシなどでの汚染がみられ、肝がんのリスク因子とされています。

なお、アスペルギルス属の1つであるコウジカビ(麹菌)は、味噌や日本酒を作る際に利用されるカビですが、これらのコウジカビではアフラトキシンを産生しません

(2)×:デオキシニバレノールは、主に穀類に蓄積される。
デオキシニバレノールを産生するカビ類は、フザリウム属に区分されます。
デオキシニバレノールは、主に穀類(小麦、大麦、トウモロコシ)に発生し、マイコトキシンというカビ毒を産生します。

(3)×:放射性物質であるヨウ素 131 は、主に甲状腺に沈着する。
主に骨に蓄積する放射性物質は、ストロンチウムです。

(4)○:キンメダイは、メチル水銀を蓄積するため、妊婦に対する注意が示されている。
海水魚は海における食物連鎖の上位におり、自然界におけるメチル水銀を含む生物を多く摂取することになるため、クジラ、メカジキ、マグロなどの大型の海水魚ではメチル水銀が比較的多く蓄積されています。

キンメダイは最大2kg程度とそれほど大型ではありませんが、大型の魚と同じようにメチル水銀の蓄積が知られており、妊婦への注意が喚起されています。

(5)×:ベンゾ[a]ピレンは、燻製に多く含まれている。
ベンゾ[a]ピレン、5つのベンゼン環が結合した多環芳香族炭化水素で、発がん性が知られています。
ベンゾ[a]ピレンは有機物の不完全燃焼によって生じるため、燻製などでみられます。

同じテーマの問題

【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問57食物「食品中の有害物質」【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問57食物「食品中の有害物質」【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問57食べ物「食品中の有害物質」【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問57食べ物「食品中の有害物質」
解説内容が良いと思って下さったら、ぜひ下のいいねボタンを押して下さい!いいねを頂けると、解説を書く励みになります。

+1

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!