35-002 わが国の出生に関連する保健統計の定義と最近5年間の傾向に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)合計特殊出生率は、15~49 歳の女性の年齢別出生率をもとに算出されている。
(2)総再生産率は、母親世代の死亡率を考慮している。
(3)純再生産率は、1.00 を超えている。
(4)合計特殊出生率は、2.00 を超えている。
(5)第1子出生時の母親の平均年齢は、35 歳を超えている。
正解:1
【解説】
(1)〇:合計特殊出生率は、15~49 歳の女性の年齢別出生率をもとに算出されている。
(2)×:総再生産率は、母親世代の死亡率を考慮していない。
総再生産率とは、合計特殊出生率のうち、女児だけの出生率のことを言います。子どもが生まれるためには、子どもを産む女性が必要なので、子どもを産める女性を産むことが、純粋に人口を再び生産できることからこのような指標が用いられています。その年における15~49 歳の出産可能な女性を対象としているため、母親世代の死亡率の影響はありません。
(3)×:純再生産率は、1.00 を下回っている。
純再生産率は、上記のように、合計特殊出生率のうち、女児が生まれた割合をいいます。少子高齢化が叫ばれており、近年のわが国では、1.3前後と戦後最低レベルまで落ち込んでいますが、このうち女児の生まれた割合が5~6割としても、純再生産率は1.0を上回るには至らないことが推論できます。暗記的に数字を覚えるのならば、令和元年(2019年)では、純再生産率は、0.66となっています。
(4)×:合計特殊出生率は、2.00 を下回っている。
わが国は少子高齢化が叫ばれており、令和3年9月現在での合計特殊出生率の最新値は、1.36となっています。わが国では戦後は合計特殊出生率2.00を超えることはありませんでした(厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況」)。
(5)×:第1子出生時の母親の平均年齢は、35 歳を下回っている。
近年のわが国での、第1子出生時の母親の年齢は、30~34歳が最多のボリュームゾーンとなっており、令和元年(2019年)での第1子出生時の母親の平均年齢は、30.7歳となっています。
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