35-081 エネルギー代謝とその測定法に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は、たんぱく質より糖質が大きい。
(2)呼吸商は、消費された酸素量を排出された二酸化炭素量で除して求める。
(3)糖質のみが燃焼した時の呼吸商は、0.7である。
(4)間接法は、身体から放散される熱量を測定する方法である。
(5)二重標識水法は、安定同位体を用いる方法である。
正解:5
【解説】
(1)×:物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は、たんぱく質より糖質が小さい。
生理的燃焼値とは、栄養素ごとの消化吸収率を考慮したエネルギー産生量≒いわゆるアトウォーター係数のことで、たんぱく質:脂質:糖質=4:9:4kcalです。
一方、物理的燃焼値とは、栄養素を瞬時に燃焼させたときに発生するエネルギー産生量で、たんぱく質:脂質:糖質=5.65:9.54:4.1kcalです。
物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は、糖質では0.1しかありませんが、たんぱく質では1.65も差があります。
(2)×:呼吸商は、排出された二酸化炭素量を消費された酸素量で除して求める。
呼吸商(RQ)とは、栄養素が燃焼してエネルギーを産生した時に消費した酸素量と、燃焼で発生した二酸化炭素の量の割合です。
栄養素別の呼吸商は、たんぱく質0.8、脂質0.7、糖質1.0です。
糖質(炭水化物)が最も二酸化炭素を発生させるため、1.0となっています。
(3)×:糖質のみが燃焼した時の呼吸商は、1.0である。
(4)×:間接法は、身体から排出される二酸化炭素や窒素の量、消費される酸素の量から熱量を測定する方法である。
身体から放散される熱量を測定する方法は、直接法です。
(5)○:二重標識水法は、安定同位体を用いる方法である。
同じテーマの問題
【第32回(2018年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問83基礎「基礎代謝量」解説内容が良いと思って下さったら、ぜひ下のいいねボタンを押して下さい!いいねを頂けると、解説を書く励みになります。
+1
コメントを残す