【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問101 教育「栄養カウンセリングでの態度」

35-101 特定健康診査の結果、動機付け支援の対象となった勤労男性に対する初回面接である。面接を始めたところ、「会社に言われたから来た」と言い、口数は少ない。面接の進め方として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1)検査結果に基づいて、生活習慣改善の必要性を強く訴える。
(2)開かれた質問を繰り返し、何とか話をしてもらう。
(3)閉ざされた質問を取り入れて、発言を促す。
(4)相手が話してくれるまで、笑顔で待ち続ける。

正解:3

【解説】
この勤労男性は、自発的ではなく会社にいわれて面接に臨んでいることから、健康行動に対して動機があまりない状況であり、口数も少ないことから、話すことが苦手だったり考えがまとまっていなかったり、面接者との信頼関係がないことが窺えます。

(1)×:健康行動の必要性を訴えること自体は重要ですが、この勤労男性は健康行動について動機がなく、まだ面接者と信頼関係が築けていない状況であるため、最も適切とはいえません。

(2)×:開かれた質問とは、自由に回答できる質問形式のことです。
ある程度考えがまとまっていたり、自由に回答してよいのだという信頼関係が築かれている状況では有効な方法です。
しかし、この勤労男性は話すことが苦手な可能性もあり、健康行動について動機がないために自由に回答すべき考えもまとまっておらず、面接者との信頼関係が築けていない状況であるため、最も適切とはいえません。

(3)○:閉ざされた質問とは、「はい」か「いいえ」で回答する質問形式のことです。
閉ざされた質問は、回答が2択と範囲が限られているため、考えがまとまっていなくても比較的回答しやすい質問形式です。
この勤労男性のように話すことが苦手な可能性があり健康行動について動機が乏しいため考えがまとまっておらず、信頼関係が希薄な場合は、回答しやすい閉じた質問を行うことで、相手の考えを整理するともに、得られた回答に共感・傾聴を示すことで、相手との信頼関係を構築することが期待できます

(4)×:相手が話すまで笑顔で肯定的に待ち続けることは、相手を受容することに当たり、初回面接で重要な信頼関係の構築に貢献する行動です。しかし、口数が少ないことは単に話すことが苦手な場合も考えられ、受容しつづけても面接は進まないため、最も適切とはいえません。しかし、かなり判断に迷う選択肢です。

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