35-128 93歳、女性。身長 150cm、体重 50kg、BMI 22.2kg/m2。2年前に認知症と診断され、その頃から誤嚥性肺炎を繰り返し、胃瘻を造設した。この患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)嚥下機能検査を行う。
(2)栄養剤投与時は、仰臥位とする。
(3)目標エネルギー量は、1,300kcal/日とする。
(4)半消化態栄養剤の投与速度は、25mL/時とする。
(5)半固形栄養剤を用いる。
正解:2
【解説】
(1)○:誤嚥性肺炎がある場合、嚥下機能検査を行う。
誤嚥性肺炎が疑われる場合、嚥下機能検査として改訂水飲みテストなどが行われます。
(2)×:誤嚥性肺炎がある場合、栄養剤投与時は、ファーラー位やセミファーラー位、座位とする。
仰臥位(あおむけ)で経口栄養を行うと、食塊が気管に入りやすくなるため、誤嚥性肺炎がある場合は、上半身を45度起こしたファーラー位ないし15~30度起こしたセミファーラー位もしくは座位での食事摂取が薦められます。
(3)○:この患者の目標エネルギー量は、1,300kcal/日とする。
この患者の標準体重は49.5kgであり、70歳以上の女性の基礎基準代謝値は20.7、身体活動レベルも低い(レベルⅠ)ため、49.5kg×20.7kcal×1.4≒1,435kcalとなり、目標エネルギー量は、1,300 kcal/日はほぼこの値に近いため、適切な記述です。
(4)○:半消化態栄養剤の投与速度は、25mL/時とする。
投与速度が速いと誤嚥を引き起こすため、誤嚥性肺炎では投与速度を20~30mL/時程度と遅くします。経腸栄養剤の投与速度は、20mL/時から開始して、100mL/時まであげていくことが基本ですが、下痢や誤嚥がある場合は、投与速度を落とします。
(5)○:誤嚥性肺炎がある場合、半固形栄養剤が推奨される。
誤嚥を予防するためには、嚥下する食塊にまとまりが必要となるため、半固形栄養剤のように粘性がある栄養剤が適しています。
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