【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問140臨床「咀嚼・嚥下障害の栄養管理」

33-140 重症嚥下障害患者の直接訓練に用いる嚥下訓練食品である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1)お茶をゼリー状に固めたもの
(2)牛乳にとろみをつけたもの
(3)ヨーグルト
(4)りんごをすりおろしたもの

正解:1

【解説】

嚥下食についての出題です。
近年は、“最期まで口から食べる”ことが重要視されているので、非常に重要なテーマです。

嚥下食については日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が定めた「嚥下調整食分類2013」が基本となっています。

嚥下食は、気管に誤嚥しないよう粘度・塊感のある食べ物であることが基本です。

1=○:ゼリー状にした食品は、均質性があり付着性も低く、咀嚼しやすいかたさのため、嚥下食として最も妥当な形態ですので、直接訓練の嚥下食として「お茶をゼリー状に固めたもの」は最も適切な選択肢です。

ゼリー状にした食品は嚥下困難者が食事訓練を行うに適切な「レベル0(訓練食)」に当たります。
ただし、すべての症例にゼリー状の食品が適している訳ではないことに注意が必要です。

2=×:とろみをつけた食品も付着性が低く、咀嚼しやすいかたさのため、嚥下食として妥当な形態です。牛乳にとろみをつけたものであれば均質性も担保できるので、選択肢(1)と迷うところです。

とろみのある水分はゼリー状の食品と同様に「レベル0(訓練食)」に当たるため、なおさら判断に迷います。

しかし、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会編「嚥下調整食分類 2013」には以下のように記されています。

誤嚥時のリスク管理のために「たんぱく質の含有量が少ないものであることが望ましい」

理由は明示されていませんが、おそらくたんぱく質などの栄養を含むものは、誤嚥時に肺炎の原因となりやすいためと思われます。

選択肢(1)のお茶に比べて、選択肢(2)の牛乳はたんぱく質含有量が多いですから、選択肢(1)の「ゼリー状のお茶」に比べると、優先度が少し落ちると判断できます。

したがって、この選択肢は最も適切ではないため、誤った選択肢です。

このあたりが「正しいのを選べ」とは異なり、最適解が求められる問題の難しさかと思います。

3=×:ヨーグルトは、直接訓練の嚥下食としては最適ではないため、誤った選択肢です。

ヨーグルトは、“ピューレ・ペースト・ミキサー食などに当たり、べたつかず、まとまりやすいもので不均質なものも含む食品”であり、嚥下食分類では「レベル2」に当たります。

4=×:りんごをすりおろしたものは、直接訓練の嚥下食としては最適ではないため、誤った選択肢です。

りんごをすりおろしたものは、“形はあるが、押しつぶしや食塊形成や移送が容易で、咽頭でばらけず嚥下しやすいように配慮された、多量の離水がない”食品であり、嚥下食分類では「レベル3」に当たります。


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