【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問111 臨床「入院時食事療養(特別食加算)」

35-111 入院時食事療養(Ⅰ)の届出を行った保険医療機関において、特別食加算が算定できる治療食に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)痛風の患者に、痛風食を提供した。
(2)黄疸のない胆石症の患者に、肝臓食を提供した。
(3)摂食・嚥下機能が低下した患者に、嚥下調整食を提供した。
(4)高血圧の患者に、食塩相当量6g/日未満の減塩食を提供した。
(5)8歳の食物アレルギー患者に、小児食物アレルギー食を提供した。

正解:1

【解説】
(1)○:痛風の患者に、痛風食を提供することで、特別食加算を算定できる。
痛風食とは、痛風にならないようプリン体を制限したり、尿路結石予防のためにアルカリ性食品を増やしたりするなどの調整を行った食事です。

食事形態だけではなく、その疾患治療に応じた栄養素を調整しており、診療報酬上で認められているもの特別食となります。

(2)×:黄疸のない胆石症には、肝臓食の適応がないため、特別食加算は算定できない。

(3)×:嚥下調整食は、特別食ではないため、特別食加算は算定できない。
嚥下調整食とは、とろみをつけた食事や、ゼリー状となっているゼリー食、ミキサー食など、嚥下困難者が食べやすいよう食事形態を調整した食事ですが、特別食のように特定の疾患を想定して栄養素を調整している訳ではないので、一般食に区分されます。

(4)×:高血圧の患者に、食塩相当量6g/日未満の減塩食を提供することでは、特別食加算は算定できない。
高血圧に対する減塩食は、通常の食事の範囲となるため、特別食は加算できません
一方、高血圧以外の心疾患や妊娠高血圧症候群への減塩食の提供は、特別食加算を算定できます。

(5)×:小児食物アレルギー食は、特別食ではないため、特別食加算は算定できない。
小児食物アレルギーに対する小児食物アレルギー食は、通常の食事の範囲となるため、特別食は加算できません。


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